映画紹介

ゴッドファーザー|ゴッドファーザーPART 2|ゴッドファーザー PART 3

ゴッドファーザー / The Godfather 1950年代、アメリカ、シチリア。アメリカで暗躍するマフィアのファミリー、コルレオーネの世代交代。 ファミリーをまとめるゴッドファーザーであるヴィトが、抗争の中で凶弾に倒れる。一命を取りとめたものの、それをきっかけに、マフィアのファミリー間の抗争が表面化した。この事件は、ファミリーの中で、”堅気”であった末の息子、マイケルをも巻き込んでいく。マイケルは愛する者が危険にさらされ、命を落としていく中で、彼らを自分の手で守るため、父の後を継ぎゴッドファーザーとして生きる道を選ぶ。 結婚式の当日に部屋の中で行われていた復讐の打ち合せ、洗礼式と同時に進行する粛正。明と暗の対比が見事。特にラストシーン間近には、生の儀式と死の儀式が交互にスクリーンに映し出される。そのシークエンスに、死の儀式の残酷さ、慄然とする恐怖が増す思いがする。計算されたストーリーと映像を楽しんでほしい。 ファミリーの血のプライド、濃密な家族の結びつき、排他的な愛などを強く感じるが、共感できるという質のものではない。むしろ、時代も背景も違うが、日本の武士のそれと近いのではないかとさえ思う。 シチリアは、ヴィトの故郷でもあり、この作品では、マイケルが一時身を隠す場所として出てくる。マイケルが移動の途中見初めた女性に結婚を申し込むくだりがあるが、そこでは相手の女性は話に入ってこない。マイケルと女性の父親とで話をして、女性の意志など確認せずに話は進むのである。ファミリーが男系であることの根底には、このような社会が少なからず影響しているのだと想像できる。 それはさておき、シチリアでの結婚式の光景は、冒頭のそれとは違って、なんとものどかでアットホームな感じである。ここでは新郎新婦が列席者にドラジェを配る場面も見られる。ドラジェとはアーモンドを砂糖でコーティングしたもので、イタリア語ではコンフェッティと呼ばれるお菓子。古代ローマ時代に端を発し、アーモンドがたくさんの実を実らせるように子宝にめぐまれることを願って、披露宴のお開きに新郎新婦が一人一人に手渡しする習慣がある。 また、ファミリーのメンバーがイタリア系だと言うこともあり、ところどころで、イタリア語が飛び出す部分もある。字幕もつかないほど、本筋には影響のないセリフだが、わかる方は聞いてみてほしい。また、それぞれの名前もイタリア読みになっている(マイケル→ミケーレなど)部分がある。 血族としての家族、ファミリーの構成員、敵対するファミリーと登場人物が多く、また利害関係も複雑に絡むので、状況を把握していないと、ストーリーの意味がわからなくなってしまうのが、難点か。 シリーズを通して、”死”を予感させる場面にはオレンジが登場していることがある。 ロケ地 / シチリア、アメリカ フィウメフレッド … シチリアでマイケルが隠れ住んでいた家・車の爆破シーンに使用された家は個人宅ではあるが、現在は結婚式や展覧会に部屋を貸し出したりもするそうである。 シチリアには、コルレオーネ村というヴィト・コルレオーネの出身地という設定の村が存在するが、ロケ地ではないとのこと。(ちなみにこの村は実際にシシリアン・マフィアのリーナ・ファミリーの本拠地だったらしい) 製作 / 1972 アメリカ [英語作品(一部イタリア語部分あり)] 監督 / フランシス・コッポラ キャスト / マイケル … アル・パチーノ ケイ … ダイアン・キートン コニー … タリア・シャイア マイケル・フランシス・リッツィ(ラストシーンに登場するコニーの赤ちゃん) … ソフィア・コッポラ (監督フランシス・コッポラの娘。 本作撮影中に誕生したのだそうだ。シリーズ3作目にはメアリー役で出演している) 原作 / マリオ・プーツォ 『ゴッドファーザー 上』『ゴッドファーザー 下』 早川書房 一ノ瀬直二【訳】
ゴッドファーザー PART 2 / The Godfather, PART 2 1950年代。アメリカ、シチリア。前作でファミリーのゴッドファーザーとなったマイケルの苦悩と先代ヴィトがゴッドファーザーとなるまでのストーリーが交互に映し出される。 先代の後を継いでゴッドファーザーとなったマイケル。ファミリーに生じた変化はリーダーの交代にとどまらなかった。末の弟から指図されることになり不満を抱える兄。ファミリーの権力を掌握するために敵対する組織と通じる者。夫の”ビジネス”についていけなくなった妻。マイケルが彼らのために動けば動くほど、彼らはマイケルから離れていってしまう。そして、ファミリーに害をもたらすものをひとつずつ消していくうちに、彼はいきつくところまで来てしまった。 家族を、愛する者を守るため、と思って行動したことが、結果的に家族を恐怖させる。組織のリーダーであり、表面上は大勢の人に囲まれていながらも、孤独であるマイケル。トップに立つものが抱えるジレンマをマイケルもまた抱えている。だが、ファミリーの存在は彼の手でコントロールできる範囲を超えて一人歩きをするかのようになってしまう。 ヴィトがシチリアから渡ってきて、ビジネスを成功させるまでのエピソードが途中に織り込まれる。一握りの仲間とビジネスを立ちあげてきた彼の時代と、マイケルの時代とでは差があることを我々は知る。 シチリアはヴィトの故郷として登場し、彼がアメリカで成功の足がかりをつかんでから帰郷、家族の復讐を果たす場面がある。ここで、話題になるのは特産品であるオリーブオイル。商品をアメリカに輸入・販売する権利を交渉しにきたのである。 ラストシーン、マイケルもまた、そのような結果を望んでいたわけではない、その彼の寂しさが画面いっぱいにひろがる。 ロケ地 / シチリア、アメリカ 製作 / 1974 アメリカ [英語作品(一部イタリア語部分あり)] 監督 / フランシス・コッポラ キャスト / マイケル … アル・パチーノ ケイ … ダイアン・キートン
ゴッドファーザー PART 3 / The Godfather, PART 3 1970年代。アメリカ、シチリア、ローマ。 年老いたマイケルはゴッドファーザーの座を退き、その座を甥のヴィンセントに譲る。 あれから20年が経過し、ファミリーのビジネスは、堅気の商売へと変化してきていた。マイケルの息子はオペラ歌手としての道を歩き始め、娘・メアリーは慈善団体の名誉理事を務める。かつてとはすっかり変わったと思うのもつかの間、マイケルの長兄ソニーの息子であるヴィンセントが問題を起こす。最初は、血の気の多いのは父親譲りと、軽く諭すだけだったが、トラブルは収まらず、抗争は激化していく。マイケルはその座をヴィンセントに譲り、引退するのだが・・・。 ストーリーは引き続き、血とプライドを守るファミリーの物語。世代が代わっても、その構造は簡単には変えられないことを思い知らされる。(3本目ともなると抗争のシーンは食傷気味である) この作品でシチリアは、マイケルの息子が初舞台(ピエトロ・マスカーニの歌劇『カヴァッレリーア・ルスティカーナ』)を踏む地として出てくる。かつての妻ケイと、故郷の街でつかの間の散歩を楽しむマイケル。その姿は、楽しそうでもあり、哀れでもある。 クライマックス、華やかなオペラ観劇の裏で進行する暗殺計画。ここでも、PART1同様、明と暗の対比が鮮やかにきまる。そして、劇場の階段で、マイケルの生はその”時”を刻むことを止めてしまうのである。ストーリーとしての新鮮さには欠けるかもしれないが、前作からの作品中の時間経過(20年)を、現実の時間経過と一致させたため、前作に出演した俳優が年を重ね、同じ役を演じている。作為的でない時間経過が生み出すはリアリティは、他の作品には見られないものだろう。 ヴィンセントがニョッキの作り方をメアリーに教えるシーンがある。ニョッキは形や作り方など、その家庭ごとに特色があり、つまりマンマの味でもあるのだが、それをメアリーに教えるというのは意味深な行為ともとれる。 コニーが自分の名付け親を毒殺するために使うお菓子はカンノーロというシチリアのお菓子。薄いビスケットを筒状にしたものにリコッタ・チーズをたっぷり詰めアクセントに砂糖漬フルーツをのせたもの。 アンディ・ガルシア、レオナルド・ディカプリオ出演によるシリーズ第4作製作の噂が囁かれたが、原作・脚本のマリオ・プーツォ氏の他界のため、本作が最終話となった。 ロケ地 / シチリア、ローマ (ヴァチカン)、アメリカ マッシモ劇場(パレルモ) … オペラ終了後のクライマックスシーンはこの劇場の大階段。名前のとおり客席数3200の大劇場。ちなみに劇場内部はチネチッタ内のセットである。 タオルミナ・ジャルディーニ駅 … 電車で着いたケイをマイケルが出迎える。 フィウメフレッド … マイケルが最期を迎えるシーン(個人宅・ シリーズ1作目で、マイケルが隠れ住んでいた家) 製作 / 1990 アメリカ [英語作品(一部イタリア語部分あり)] 監督 / フランシス・コッポラ キャスト / ヴィンセント … アンディ・ガルシア ケイ … ダイアン・キートン メアリー … ソフィア・コッポラ (監督フランシス・コッポラの娘。ウィノナ・ライダー降板により抜擢される) コニー … タリア・シャイア

家政婦の機嫌

また、切れてしまいます。