映画紹介

ジョニーの事情|ジョヴァンニ|親愛なる日記|ジンジャーとフレッド

ジョニーの事情 / Johnny stecchino 1980年代、シチリア。マフィアのジョニーと瓜二つだったが為に命を狙われるダンテ。 パーティーではみんなに相手にされず、仕事はスクールバスの運転手、自動車事故の虚偽申告で降りる保険金を生活費の足しにする、ダンテはどうひいき目に見てもさえない男。ところが、偶然街であったマリアは、彼の顔をうっとり見つめ「信じられない」とつぶやいて、彼女の住むパレルモへダンテを招待する。実はマリアのダンナは、敵対するファミリーから命を狙われるマフィアのジョニー。いつも楊枝を口にしているから、ジョニー・ステッキーノ(楊枝のジョニー)。ジョニーそっくりのダンテをダンナの身代わりにして、ダンナを助けようという計画だ。そうとは知らずに、平然と街を散歩するダンテを銃弾が襲う。 ダンテの不幸を笑うコメディかと思えば、そのダンテもなかなか巧妙に立ち回る。二役をこなすベニーニが絶妙だが、マフィアの役には、線が細く凄みが足りない感じは否めない。 ロケ地 / シチリア 製作 / 1992 イタリア 監督 / ロベルト・ベニーニ キャスト / マリア … ニコレッタ・ブラスキ
ジョヴァンニ / Il mestiere delle armi 1526年11月24日から11月30日までの6日間。マントヴァ、ポー河近郊。”黒隊のジョヴァンニ”と怖れられたジョヴァンニ・デ・メディチとドイツ軍との戦いを巡る政治的策略。 教皇側の軍隊を率いるジョヴァンニは、神聖ローマ帝国皇帝側の軍隊に迫っていた。 マントヴァ侯、フェデリコ・ゴンザーガはジョヴァンニと縁続きであり、表向きは教皇側であったが、領土内での戦争を回避したいと考えていた。また、フェラーラ公、アルフォンソ・デステも皇帝との結びつきを強化しようと画策していた。それぞれの思惑が、ジョヴァンニにもたらすものとは? 史実を淡々と追っていくストーリーであるため、スクリーンを通して寒さと痛みが切々と伝わってくる(偶然、鑑賞した年(2004年)の暦と、劇中(1526年)の暦とが一致していたため、スクリーンの中のものが、より強く伝わってきたような気がする)。映像自体はその内容に反してしっとりと穏やか。特にジョヴァンニの妻からの手紙のシーンは、フェルメールの絵画を彷彿させる、飾り気のない穏やかさである。 武将としてのジョヴァンニは、敵味方を問わず、その強さを認められていたが、彼の周囲/各国の領主たちは、ジョヴァンニとは違った理論で動いていた。向き合って剣を交えるだけの戦いばかりではなくなっていることに、ジョヴァンニは思い及ばない。 ロケ地 / マントヴァ、フェラーラ、ソンチーノ、トッレ・パッラヴィチーナ、ブルガリア マントヴァ サン・タンドレア教会…冒頭とラストのシーン。 パラッツォ・ドゥカーレ フェラーラ カステッロ・エステンセ ソンチーノ ロッカ・ディ・ソンチーノ トッレ・パッラヴィチーナ Palazzo Barbò 製作 / 2000 イタリア 監督 / エルマンノ・オルミ キャスト / フェデリコ・ゴンザーガ … セルジョ・グランマティコ マントヴァの貴婦人…サンドラ・チェッカレッリ ジョヴァンニの妻・マリア(豪華王ロレンツォの孫にあたる)            …デシィ・テネケディエヴァ
親愛なる日記 / Caro diario 1990年代、ローマ、エオリア諸島。映画監督であり俳優であるモレッティの日常を、3つのストーリーで構成する日記風の作品。 [ヴェスパにのって]8月。人々はヴァカンスに出かけ、閑散としたローマをモレッティがヴェスパで駆け抜ける。住宅街の家を見るのを楽しみ、憧れのジェニファー・ビールスに出会う。そして、新聞記事をきっかけに、思い出したようにパゾリーニの遺体発見現場であるオスティア海岸へとヴェスパを走らせるのだった。 [島めぐり]次回作の脚本を書き上げるために、リパリ島に住む友人・ジェラルドを訪ねる。だがリパリはうるさすぎて仕事にならず、サリーナ、ストロンボリ、パナレーア、アリクーディ、と島を巡るが、どこも一長一短、結局仕事は一向にすすまない。 [医者めぐり]ひどい痒みに悩まされるようになったモレッティは、医者に診察してもらうが良くならない。違う医者にかかるたびに、違った診断が下され、違った薬を処方される。様々な治療を試み、検査を受ける。検査結果は肺ガンだった。(実体験をもとにしているそうだ) 前作までのモレッティの分身”ミケーレ”ではなく、モレッティ自身として日々の行動を語る口調は、相変わらず淡々としている。日記という形を借りて展開されているのは、かなりデフォルメされているのではないかと思われるイタリアの姿だ。「8月には映画館さえ休み」でおもしろそうな映画が上映されていないローマ。甘やかされて育った一人っ子が多く、電話に出た子どもがなかなか親に取り次いでくれないため「電話連絡は不可能だ」というサリーナ島。「30年一切テレビを見なかった」反動で、ドラマの続きが気になってしかたがないジェラルド。もっともらしく様々な薬を処方する医者たち。モレッティお得意の皮肉が小気味良い。これらの問題はイタリアに限ったことではないが、イタリア人はこの映画を見て苦笑するだけでは済まないのかもしれない。 リパリのバールでモレッティが注文するオレンジ・ジュースは真っ赤な色。最近は日本でもお目にかかるようになったが、シチリア産のオレンジは果肉が赤く、ジュース用として人気がある。同じ店で友人が注文していたのはグラニータ。シャーベットとかき氷の中間のようなもの。 ストロンボリ島の村長が名前を挙げるモリコーネとストラーロ。モリコーネは映画音楽を手がける作曲家で、多作な彼の映画音楽は日本のテレビ番組でも度々BGMに使用されている。一方ストラーロは美しい映像を撮るカメラマン。ベルトルッチの数々の名作を撮ったのが彼である。イタリア映画界を担う映画人のうちのふたりである。 ロケ地 / ローマ、エオリア諸島(リパリ、サリーナ、ストロンボリ、パナレーア、アリクーディ) ローマ ガルバテッラ地区 … モレッティがヴェスパで走る住宅地のひとつ。ローマの南、EURに近い地域で「特別な一日」で描かれた集合住宅同様、ファシストの政策によって建設された低所得者層向けの住宅地。 オスティア海岸(イドロスカロ) … 白いオブジェは、映画監督パゾリーニの遺体が発見された現場に建てられたもの。 エオリア諸島 製作 / 1993 イタリア・フランス 監督 / ナンニ・モレッティ キャスト / ジェラルド … レナート・カルペンティエーリ
ジンジャーとフレッド / Ginger e Fred 1980年代、ローマ。かつてフレッド・アステアとジンジャー・ロジャースを模して人気のあったコンビの二人が「あの人は今?」風のテレビ番組の企画で何十年かぶりに再会する。過去の栄光は過去のものでしかないことを知ると同時に、二人が離れていた時間は、等しく同じだったのではないことにも気づく。 以前は、ピッタリと息が合っていたはずなのに、ダンスも会話も、今はなんとなくちぐはぐな感じが否めないことを感じるアメリア。再会後の数時間の間に、コンビ解消後に自分が過ごした年月とピッポが過ごした年月は、時の長さは等しくても、まったく違うものだったことに気づいていく。親しい仲だったはずなのに、知らなかったこと、知らせなかったこと。テレビ番組の安っぽい作りを批判しつつ、物語は進んでゆく。 ロケ地 / ローマ 製作 / 1985 イタリア・フランス・西ドイツ 監督 / フェデリコ・フェリーニ キャスト / ピッポ(フレッド) … マルチェロ・マストロヤンニ

家政婦の機嫌

また、切れてしまいます。